
一般配管用ステンレス鋼鋼管(薄肉管・SU管)とは、JIS G 3448で規定された薄肉タイプのステンレス配管です。給水・給湯・冷温水・消火用水配管などに広く使用され、軽量で耐食性に優れ、一般建築設備に必要な耐圧性能を備えているのが特長です。
施工性にも優れており、マンションやオフィスビル、病院、商業施設などの建築設備で広く採用されています。近年では、プレス継手を用いた施工方法が主流となり、施工時間の短縮や省力化にも大きく貢献しています。
一般配管用ステンレス鋼鋼管の材質(鋼種)の種類および記号
JIS G 3448では、主に次の4種類が規定されています。
| 種類の記号 | 用途(参考) |
| SUS304 TPD | 通常の給水,給湯,排水,冷温水,消火用水などの配管 |
| SUS315J1 TPD | 水質,環境などからSUS304TPDよりも耐食性が要求される配管,及びSUS316TPDよりも耐応力腐食割れ性が要求される温水配管 |
| SUS315J2 TPD | |
| SUS316 TPD | 水質,環境などからSUS304TPDよりも耐食性が要求される配管 |
TPDの意味は、【Tube(チューブ)】 【Pipe(パイプ)】 【Domestic(一般・建築設備配管用など)】の略称
材質ごとの化学成分
| 種類の記号 | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Cu |
| SUS304TPD | 0.08以下 | 1.00以下 | 2.00以下 | 0.045以下 | 0.030以下 | 8.00~10.50 | 18.00~20.00 | 注 a) | 注 a) |
| SUS315J1TPD | 0.5~2.50 | 8.50~11.50 | 17.00~20.50 | 0.50~1.50 | 0.50~3.50 | ||||
| SUS315J2TPD | 2.50~4.00 | 11.00~14.00 | 17.00~20.50 | 0.50~1.50 | 0.50~3.50 | ||||
| SUS316TPD | 1.00以下 | 10.00~14.00 | 16.00~18.00 | 2.00~3.00 | 注 a) |
必要に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
注a) 必要に応じてMo又はCuを添加する場合,当該種類が他の種類の規定値を満たして種類の区別ができなくなるほど添加してはならない。
一般配管用ステンレス鋼鋼管の規格
薄肉管の呼び径は、一般的な○○Aなどと表記されるA呼称、インチ表記のB呼称とは異なります。外径も異なりますのでUボルトの選択などでは注意が必要です。
| 呼び径 Su | 外径 mm | 外径の許容差 | 厚さ mm | 厚さの 許容差 | 単位質量(kg/m) | ||
| 外径 | 周長 | SUS304TPD | SUS315J1TPD SUS315J2TPD SUS316TPD | ||||
| 8 | 9.52 | 0 −0.37 | − | 0.7 | ±0.12 | 0.154 | 0.155 |
| 10 | 12.70 | 0.8 | 0.237 | 0.239 | |||
| 13 | 15.88 | 0.8 | 0.301 | 0.303 | |||
| 20 | 22.22 | 1.0 | 0.529 | 0.532 | |||
| 25 | 28.58 | 1.0 | 0.687 | 0.691 | |||
| 30 | 34.0 | ±0.34 | ±0.20 | 1.2 | 0.980 | 0.986 | |
| 40 | 42.7 | ±0.43 | 1.2 | 1.24 | 1.25 | ||
| 50 | 48.6 | ±0.49 | ±0.25 | 1.2 | 1.42 | 1.43 | |
| 60 | 60.5 | ±0.60 | 1.5 | ±0.15 | 2.20 | 2.21 | |
| 75 | 76.3 | ±1% | ±0.5% | 1.5 | 2.79 | 2.81 | |
| 80 | 89.1 | 2.0 | ±0.30 | 4.34 | 4.37 | ||
| 100 | 114.3 | 2.0 | 5.59 | 5.63 | |||
| 125 | 139.8 | 2.0 | 6.87 | 6.91 | |||
| 150 | 165.2 | 3.0 | ±0.40 | 12.1 | 12.2 | ||
| 200 | 216.3 | 3.0 | 15.9 | 16.0 | |||
| 250 | 267.4 | 3.0 | 19.8 | 19.9 | |||
| 300 | 318.5 | 3.0 | 23.6 | 23.8 | |||
一般配管用ステンレス鋼鋼管の接続方法
一般配管用ステンレス鋼鋼管(SU管)の接続方法は、大きく「メカニカル接続」と「溶接接続」の2種類に分けられます。近年は、火気を使用せず施工性に優れたメカニカル接続が主流となっています。
メカニカル接続
専用継手を用いて機械的に接続する工法です。施工時間が短く、品質が安定しやすいことから、現在の建築設備配管で広く採用されています。代表的な工法には、専用工具で継手を圧縮する「プレス式」、差し込むだけの「ワンタッチ式(挿入式)」、そして管端を広げて締付ける「拡管式」などがあります。
プレス式(締付・圧着式):
プレス式専用の継手に管を挿し込み締め付け用の電動・油圧プレス工具を使用し、継手部分を強力に締め付けて変形させ、パイプと一体化させます。
代表製品:モルコジョイント・ダブルプレス

ワンタッチ式(差込式):
パイプを切断して断面処理をすれば、そのまま専用の継手に差し込むだけで、内部のツメ(エッジ)が食い込み、ゴムリングで止水します。専用の工具不要で素早く施工できます。
代表製品:EGジョイント・1押継手

拡管式(ツバ出し式):
パイプの端部を専用工具(拡管機)で広げてツバ(フレア)状にし、専用の継手とナットで挟め込んで固定します。
代表製品:BKジョイント・TLジョイント

溶接接続
TIG溶接などで配管同士を直接接合する工法です。高い強度と耐久性が得られる一方、高度な施工技術が必要となるため、主にプラント設備や特殊な配管工事で採用されています。
一般配管用ステンレス鋼鋼管は、施工性や用途に応じてさまざまな接続方法があります。従来は溶接による接続が一般的でしたが、現在では施工時間の短縮や品質の安定化を目的として、専用継手を使用する工法が主流となっています。
現在の主流は「プレス接続」
現在の一般建築設備では、プレス接続が主流です。施工時間の短縮、安全性の向上、施工品質の安定といったメリットが大きく、新築・改修工事を問わず幅広く採用されています。
一方で、用途や設備条件によってはメカニカル接続や溶接接続が選ばれる場合もあり、配管の使用環境に応じて最適な工法が選定されています。
まとめ
一般配管用ステンレス鋼鋼管(SU管)は、JIS G 3448で規定された薄肉タイプのステンレス鋼管で、給水・給湯・冷温水・消火用水配管など、さまざまな建築設備に使用されています。軽量で耐食性に優れ、施工性が高いことが大きな特長です。
また、接続方法には、プレス接続や拡管接続などのメカニカル接続と、TIG溶接などによる溶接接続があります。特に近年の建築設備では、施工が容易で火気を使用しないプレス接続などのメカニカル接続が広く普及しています。
このように一般配管用ステンレス鋼鋼管(SU管)は、ステンレスならではの耐食性と薄肉・軽量による施工性を兼ね備えた配管材料として、現在の建築設備に欠かせない存在となっています。





