サイディングとは?窯業系サイディングに物を取り付ける時の注意点

サイディングボードとは?_アイキャッチ

住宅の外壁に張る板状の外壁材(ボード)のことを総称してサイディングと言います。1990年代以降、日本の住宅外壁の主流となった素材です。

それ以前は、モルタルなどで仕上げられていましたが、工期の大幅な短縮やコストパフォーマンスの高さ、施工熟練度に左右されにくい均一な仕上がりなどのメリットがあり普及してきました。

現在では、戸建て住宅の9割程度にサイディングの外壁が採用されています。

サイディングには種類があり、中でも窯業系サイディングが7~8割以上と圧倒的なシェアとなっています。建売住宅においては大半を占めていると言えるほどです。

戸建て住宅における外壁シェア率

それぞれの材質によって特徴がありますので簡単に比較をしてみます。

サイディングの種類と特徴

① 窯業系サイディング

窯業系サイディング

セメントと繊維質を主原料にした、日本でもっとも普及している外壁材です。国内シェアは約70~80%と圧倒的多数を占めています。

メリット:デザインが豊富・価格が安い・防火性が高い
デメリット:塗装メンテナンスが必須・シーリング劣化する
メンテナンス目安:塗装10~15年、コーキング10年前後

主なメーカー:ケイミュー/KMEW・ニチハ・旭トステム外装

② 金属系サイディング

金属系サイディング

ガルバリウム鋼板やアルミなどの金属板と断熱材を組み合わせた高性能外壁材です。軽量でリフォーム(カバー工法)にも多く採用されています。注文住宅ではシェアを伸ばしています。

メリット:軽量・耐震性が高い・断熱性が高い・凍害に強い
デメリット:傷や凹みがつきやすい・海沿いでは錆対策が必要
メンテナンス目安:8~15年
 塗装とコーキングの打ち替え・打ち増し

主なメーカー:アイジー工業・ケイミュー/KMEW(金属シリーズ)

③ 木質系サイディング

木質系サイディング

天然木を使用した自然素材の外壁です。ログハウスや北欧風住宅に多く使われています。

メリット:本物の木の質感・高級感・調湿効果
デメリット:腐食・反り・シロアリ対策が必要
 メンテ頻度が高い
メンテナンス目安:5~10年ごとに塗装

④ 樹脂(PVC)サイディング

樹脂系サイディング

ポリ塩化ビニル製の軽量外壁材。アメリカでは主流ですが、日本ではまだ施工業者が少ないタイプです。

メリット:塗装不要・腐食しない・凍害に強い・軽量
デメリット:デザインが少ない・対応業者が限られる
メンテナンス目安:基本不要(洗浄のみ)

サイディング種類比較表

種類重量価格断熱性メンテナンスデザイン
窯業系重い◎ 安い塗装必要◎ 非常に豊富
金属系軽い少なめ
木質系普通△ 高い多い◎ 自然素材
樹脂系超軽量ほぼ不要

トップシェアの窯業系サイディングを詳しく

窯業系サイディングは、サイディングの中でも圧倒的なシェアを誇る外壁材です。主な材質は下記のようなものです。

・セメント
・繊維質材料(木質繊維・パルプなど)
・無機質混合材(けい酸カルシウムなど)

これらを板状に成形し、高温・高圧で硬化させることで、強度と耐久性を持たせています。セメントと言えば、屋外でも使用される丈夫で耐久性の高いものに思えますが、窯業系サイディングは吸湿性が高く脆いものです。水分から内部を守るため表面が塗装などでコートされています。

窯業系サイディングの厚さ

窯業系サイディングの厚みは、14mm、16mm、18mmが主流であり、2008年のJIS改正以降、14mm以上が標準となっています。厚いほど高級感のある凹凸デザインや高い耐久性・耐火性、金具留め工法(15mm以上)が可能で長持ちする一方、コストが上がります。 

・14mm
・15mm(ニチハには無い)
・16mm
・18mm
・21mm(プレミアムライン)

窯業系サイディングメーカーシェア

  • ニチハ株式会社 約50~60%
    デザイン性と品質で圧倒的な業界トップ
  • ケイミュー株式会社 約30~40%
    旧クボタと旧松下電工の外装材事業が統合。親水セラ・光セラの機能性外壁が有名
  • 旭トステム株式会社 10%未満
    LIXILグループ。高機能な「AT-WALL」などを展開

窯業系サイディング業界は、上位2企業で約9割のシェアを占める状態になっています。

窯業系サイディングの主な施工方法

① 直張り工法(旧工法)

構造用合板や下地に直接サイディングを張る方法です。
施工は簡単ですが、内部結露や雨水滞留が起きやすいため、現在の新築住宅ではほとんど採用されていません。

・コストは安い
・通気層がないため湿気がこもる
・耐久性が低下しやすい

※現在は非推奨工法です。

② 通気工法(現在の標準工法)

防水シートとサイディングの間に「通気層」を設け、湿気や雨水を排出する工法です。現在の住宅ではこの工法が標準仕様となっています。

・結露防止
・雨水排出(排水性向上)
・外壁・構造体の長寿命化
・断熱性能の向上

窯業系サイディングに物を取り付ける場合の注意点

① サイディング本体に強度は、ほぼない

窯業系サイディングは仕上げ材であり、構造材ではありません。またセメントが主剤ですが、荷重をかける材質としては脆いという認識が必要です。ビスの効きも良くありません。

・ビスを打っても強く固定できない → 専用ビスまたはアンカーを使用する
・重い物はほぼ支えられない → 柱に固定が基本

② サイディングに荷重をかけるのではなく下地に効かせるのが基本

ある程度の重量物を取り付ける場合は、以下のような下地に取り付けるのが基本です。

・柱
・間柱
・胴縁(どうぶち)

この他にも、壁裏に既設配線・配管などがないかの確認も必要です。

③ 防水処理は確実に行う

窯業系サイディングは、吸湿性が高く水分に弱いです。表面は塗装に覆われ防水されていますが、穴を開けた時点で、防水機能は失われます。

水分がボードの中に浸透して膨張・乾燥で収縮する「湿乾伸縮」を繰り返すと、反り、浮き、ひび割れ、凍害、カビの発生の原因になります。

・ビス穴にコーキング(シーリング材)を充填するなどの防水措置
・ビスを打ち込んだ後もビスや取付物の周囲をしっかり防水
・エアコン配管化粧カバーなどはメーカー指示のシーリング箇所をしっかり守る

ビスで軽量物を固定する場合は、通気層裏の透湿防水紙に到達しない長さのビスを使用する必要があります。

④ 割れ対策が必要

窯業系サイディングは硬いですが、脆い(割れやすい)です。施工時には、注意が必要です。

・下穴を開ける(特に端部)
・端から近すぎる位置に打たない
・インパクトの締めすぎに注意

割れてしまうと貼り替えになる場合もあります。

⑤ 重量物は直接取り付けない

エアコン室外機や重い棚、大型フックなどの重量物は基本的に 専用架台 or 独立した支持構造を使う。外壁に直接負担をかけない設計が必要です。

⑥ シーリング部分には打たない

サイディングの継ぎ目(目地)は弱点です。シーリングの役目は柔軟に動きサイディングとサイディングの歪みに追従する必要があります。また、防水の要でもあるので、ビス打ちは厳禁です。

ビスを打つ→ 防水破壊+雨漏りのリスクが大きくなります。 必ずパネル本体+下地に固定しましょう。

まとめ

サイディングは、板状の外壁材のことを言います。サイディングには、窯業系・金属系・木質系・樹脂系など色々な種類があります。

なかでも、コストや施工性から窯業系サイディングのシェアが圧倒的に高くなっていますが、10年程度で塗装やコーキングなどのメンテナンス作業が必要になります。

窯業系サイディングは、吸湿性が高くメンテナンスを怠ると、水分を吸収し割れや反りなどが発生してしまいます。

サイディングボードは、構造材ではなく、仕上げ材のため、それ自体に物を支える強度はありません。そのため、何かを取り付ける場合には、取付け物に合った適切な施工が必要になります。